公益社団法人 日本ガスタービン学会

2026年度会長就任挨拶

Message from the President

村上 直樹
MURAKAMI Naoki

 この度,西澤敏雄前会長を引き継ぎ2026年度の日本ガスタービン学会会長に就任いたしました村上直樹です。伝統ある日本ガスタービン学会会長を拝命いたしましたことは,誠に光栄でありますとともに,その職責の重さに身の引き締まる思いです。
本年は当学会が1976年に社団法人化して50年目に当たります。歴代の会長はじめ役員の方々,会員,賛助会員の皆様のご尽力により発展してきた当学会のさらなる発展に向けて,微力ながら全力を尽くす所存ですので,何卒,ご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 さて,昨今の世界情勢に目を向けますと,中東情勢,ウクライナ情勢がもたらす石油・天然ガス供給の不透明感の増大は,エネルギー供給のみならず,生活様態そのものを変化させる可能性を含んでいます。一方,地球環境の厳気象化が進行する中,脱炭素の社会的要請も依然として続いています。
このような状況下において,電源原動機であるガスタービンは,コンバインドサイクル化によるそのエネルギー効率の高さから大規模電源として,また,コージェネレーションを活用した分散型電源として普及しています。加えて,再生可能エネルギーの主力電源化が進行する中,調整力,慣性力の供給源としても注目されています。
さらには,水素・アンモニア,SAF等低・脱炭素燃料を活用する燃料多様化の技術の進歩とともに,ガスタービンは,脱炭素社会を支える重要な社会インフラを構成することが期待されています。

 近年,急速に発展,普及しているAI分野を支えるデータセンターは電力需要の増大をもたらしますが,急激な負荷変動を伴う電力需要への対応も必要とされ,ガスタービンの負荷応答性に期待が寄せられています。
一方,輸送機械の分野では航空機による高速(短時間)での旅客・貨物輸送は世界の距離を一気に縮め,グローバル化を推進する原動力となってきました。ガスタービンは航空原動機を代表する推進機であり,高速輸送,省エネ,脱炭素を推進する重要な役割を担っています。
このように,原動機に対する要求が多様化,変化してゆく情勢下でのガスタービンの果たす役割はますます重要になっています。

さらには,わが国のガスタービンに関する産官学の有する技術基盤,産業基盤は,わが国が有する優位性の一つであり,わが国の発展,競争力強化において極めて重要な分野でもあります。今後,この観点において,産官学連携の強化が重要なテーマになり得ます。
このような社会ニーズに着目しながら,今後の学会活動の活性化に努めて参ります。

 一方,学会内部に目を向けますと,会員数減少という大きな課題に直面しています。特に若手入会者の減少は,将来の学会活動,学会の存続に対する根本的な不安要因になりかねません。
このような課題に対し,学生会員の会費無料化,より親しみやすいホームページへの刷新等,学会活動の魅力をお伝えする機会を広げる活動を,順次,実施していますので,会員の皆様には,従前以上に当学会を通じての情報収集,ネットワーク構築にご活用頂くとともに,当学会の有用性を会員外の皆様に広く周知願えればと思う次第です。

今年度は,国際的な活動としてのACGT2026が富山で開催されます。また,来年度開催予定のIGTC2027は,準備委員会を実行委員会へ改編し準備に向けた活動を強化しました。加えて,各種委員会活動に基づいた講習会,講演会等の開催,学会誌・論文集・各種報告書の編纂・発行等の学会活動は社会的に有意義な成果をもたらしています。今後も,社会課題の解決を意識し,当学会の価値向上を目指した学会活動の活性化を推進いたします。

 最後になりますが,会員の皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして,会長就任のご挨拶とさせていただきます。

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