
ガスタービンとは、燃料となる軽油や灯油、天然ガスなどを燃やして動力を得る、エンジンの一種です。
ガスタービンは大量の空気を吸い込み、まず『圧縮機』で空気を圧縮します。続く『燃焼器』で高圧の空気に燃料を噴射し、燃焼させます。最後に高温高圧となった気体が『タービン』を回転させ、動力を回転力として取り出します。ガスタービン発電では回転力を発電機の軸回転に利用し、回転エネルギーを電力に変換しています。
また、タービンの回転力の一部は圧縮機の回転にも使われます。このように高温高圧の『ガス』で『タービン』を回すことから、この装置はガスタービンと呼ばれています。
他方、タービンの回転力を取り出すかわりに、タービンからの排気エネルギーにより排気自身を加速し、ジェットとして噴出することにより、推進力を得ることもできます。これが航空機のジェットエンジンです。




ガスタービンは以下のような特徴を備えています。
- 同じ大きさのガソリンエンジンなどに比べ、大きな出力を得ることが出来ます。
- エンジンとしては構造が比較的単純です。
このような特徴を持つガスタービンは、発電機、船舶、航空機などの大型機械の動力源を中心として様々な分野で用いられています。
航空の分野では『ジェットエンジン』として数多くの航空機の推進を担っています。
ガスタービンは主に、圧縮機、燃焼器、タービンの三つの構成要素から成り立っており、吸い込まれた気体は、これらの要素を順に通過していき動力を発生し、排気されます。
圧縮機では取り入れた空気を圧縮します。軸流圧縮機や遠心圧縮機などといった様々な形態が存在し、用途や大きさに応じ使い分けられたり、2つを組み合わせて使われたりします。
大型のガスタービンにおいて主流である軸流圧縮機は、軸方向に空気を流しながら、圧縮していく圧縮機です。大きな送風機を軸方向にいくつも繋げたようなもので、空気に仕事を与えて圧力を上げる回転している翼列の「動翼列(ローター)」と、気流の向きを整える回転しない翼列の「静翼列(ステーター)」を一つの段として、軸方向に幾重にも段を重ねることにより大きな圧力上昇を生み出します。ガスタービン用の圧縮機では最新のジェットエンジンにおいて気体を大気圧の40倍以上に圧縮するものも存在します。

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燃焼器では、圧縮機を出た高圧の気体に燃料を噴射し、燃焼させます。一度燃焼器内の気体に点火したら、そこに燃料を噴射し続けることにより、炎が持続する仕組みになっています。燃料には軽油や灯油から、天然ガスなど用途に応じ幅広い燃料が利用されています。
ガスタービンの燃焼温度は非常に高温であり、燃焼温度が高いほどより多くの出力を効率よく発生できることから、新材料の開発や、新しい冷却手段などにより燃焼ガスの温度(タービン入口温度)は年々上昇の一途をたどっています。最新のもので1500℃以上となっており、1700℃に達するものも研究されています。

タービンでは、圧縮機、燃焼器を経た高温高圧ガスから、回転の動力を取り出します。その仕組みは風車のそれと同じで、高温高圧ガスがタービン羽根車に吹き付けられることによって回転します。風車と異なる点は、羽根車に風を整えて吹きつける点です。
タービンは、空気を整流する静翼列(ステーター)と高温高圧ガスの流れを受け止め回転する動翼列(ローター)からなり、静翼列と動翼列をあわせて一つの段とします。タービンでも圧縮機と同様に、段を軸方向にいくつも重ね、段階的に高温高圧ガスから回転の動力を取り出していきます。

ただし、ガスタービンから動力を得る方法には後述するように二通りあり、ジェットエンジンの推進力(推力)を得る方法は、回転力を得る方法と少し違います。
圧縮機、燃焼器、タービンの3要素は、同時進行で常に作動するため、ガスタービンを運転すると、気体の流入・流出が絶え間なく続きます。エンジン内部を気体が留まることなく高速で流れていきます。また、各構成要素がそれぞれ別個の役割を持っているため、各構成要素の構造や組み合わせを柔軟に変更することができ、小型のものや作動流体の通過経路を工夫することによる効率向上を図ったものなど、様々な利用の仕方が可能です。

ガスタービンの性能指標には、比出力と熱効率があります。
比出力とは、ガスタービンに流入する気体の単位流量当り取り出せる動力であり、比出力が大きければ、同じ動力をより少ない作動流体で発生させることが出来るため、小型で大出力の熱機関になります。
熱効率とは、燃料が持つ熱エネルギーから取り出せる動力の割合で、[取り出した動力]/[燃料が持つ熱エネルギー]で算出されます。同じ出力の機械を動かすとき、熱効率の高いもの程、少ない燃料で動かすことが出来るので、燃費が良くなります。
優れたガスタービンは、大きな比出力と高い熱効率を持つもの、といえます。
一般に、比出力を大きくするために、サイクルの最高温度(タービン入り口温度(燃焼ガス温度))と最低温度(普通は大気温度)の比を大きくし、熱効率を高めるために、圧縮機での圧力比を高くします。そのため、ガスタービンの高性能化のため、高温化、高圧力比化が進んでいます。
高温化は著しく、タービンの材料の融点によって最高温度が決まるので、より耐熱性に優れた材料の開発が、ガスタービンの性能向上に直接効きます。現在のガスタービンでは、タービンを冷却したり、タービン翼に耐熱コーティングを施したりすることによって、材料の融点を超えた温度で作動することが可能となっています。性能向上の核となる部分だけに、タービンの耐熱性を高める材料、冷却、コーティングに関する研究は、重要な位置を占めています。
このようなシステムであるガスタービンは、大量の作動流体を連続して処理できるので、間欠的に気体を処理するガソリンエンジンや、ディーゼルエンジンと比較し様々な長所があります。
- 同じ大きさのエンジンで大出力を達成することが出来ます。
- 構造が比較的単純であるという長所があります。
ガスタービンは、発電機、船舶、などの駆動に利用されているほかにも、ジェットエンジンとして航空機に搭載されており、大型の機械の動力源として様々な分野で用いられています。
ガスタービンは高温高圧の燃焼ガスから動力や推進力を得ます。基本的にはタービンにおいて、まず圧縮機を駆動するための動力を確保し、残ったエネルギーを動力として出力します。その方法には主に2通りあります。
推進力としての動力
ジェットエンジンに用いられる方法です。圧縮機を駆動するために必要な動力をタービンにおいて回収し、その後残った高温高圧の排気ガスをそのまま推進力として排気します。ジェットエンジンにおいてはタービンの下流にノズルがあり、排気ガスが適切な速度、圧力で排気されるようにします。
また最近の旅客機用のエンジンでは、排気ガスによる推力とタービンで発生した回転力で駆動するファン(送風機)による推力とを同時に利用するファンエンジンも多く使われています。
このように様々な形態にて出力を発生できることが、様々な大型機械の動力源となっている理由でもあります。













